June 18, 2013

Super Computer TOP500

 欧米と中国の各国が世界1位のスーパーコンピューター開発を目指していますが、これは世界一のスパコンがその5年後10年後の産業応用につながるからです。
 理化学研究所と富士通が共同開発した「京」が今どのように使われているかというと、膨大なシミュレーションでタイヤの分子構造をナノ(10億分の1)レベルで解析して路面状況によって1秒に10万回も変形するタイヤを開発したり(住友ゴム工業)、地震や集中豪雨などの解析による防災の為の建物の風圧解析(清水建設)、抗がん剤を中心にした創薬実験などで、世界に先駆ける製品投入には、最速の計算速度が必要だと言う事です。
 科学技術立国を国是とする日本としては、スパコンの性能は科学技術力の指標であり、産業競争力にも直結する点で、常に世界一のスパコンを開発し続ける必要があるのです。
 所がです、今回TOP500で発表されたスパコンの1位は中国・国防科学技術大学の「天河2」でした。2位は米国オークリッジ国立研究所の「タイタン-Titan-」。3位が「セコイア-Sequoia-」、5位も米国の「Mira」というIBM勢で「京」は4位だったです。ちなみに6位に「スタンペード-Stampede-」と言うDellのマシンが入っています。
 ちなみに「天河2」の計算速度は毎秒3京3862兆回(京は1兆の1万倍)で、2位「タイタン」の約1.9倍、「京」の約3.2倍になります。
 既に文科省は次世代のエクサ級スパコンの開発を発表して、平成32年頃の稼働を目指していますが、それに先んじて中国、米国はエクサ級スパコンの開発を進めているのです。次世代スパコンの開発が成長戦略の要と位置づけるならば、一刻も早く「オールジャパン」の開発態勢を構築して着手しなければ後れをとるような状況なのです。
 4位の性能も素晴らしいのですが、もはや「4位じゃだめなのですか」など言ってる場合ではないです。